境界性パーソナリティ障害からの回復

境界性人格障害/境界性パーソナリティ障害の治療過程・回復記録

解離(解離性同一性障害・DID・多重人格)の仕組み

 

カウンセラーさんに紹介してもらった本を読んで、解離の基本的な仕組みを少し理解したのでメモしておきます。

 

 

本紹介「子どもの『いや』に困った時に読む本」

 

子どもの「いや」に困ったとき読む本

大河原美以 大和書房 2016-08-18
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by ヨメレバ


 

最近は、Twitterでもまとめサイトでも、

「良いお母さんじゃなくていいよ。気楽にやろう。子供の育ちは親の責任じゃない。」

といった育児中の親への励ましが多くみられます。

 

ですが、この本では、

「親のつらさはさておき、子供をしっかり、ちゃんと育てよう。

というメッセージが根幹におかれています。

 

一見、親に厳しく冷たいようにみえるけど、

 

  • 子供たちがのちに心理的問題を抱えて、親子ともに苦しむことを防ぎたい。
  • 子供が不快な感情に襲われた時に、「親の顔を見ると安心する」という親子関係を築けるようにしたい。

 

という著者の思いがこもった一冊になっています。

 

人間だから、ついつい楽な方に流れてしまいます。

でも、私は自分自身が大人になってこうやって過去に苦しむ経験をしてみて、

やっぱり子供との関わり方はちゃんと考えないといけないなと思いました。

 

最近私も、子供のことを後回しにしがちだった。

だけど、根っこの部分でちゃんとした親子の信頼関係を築くために、

もっとしっかり向き合ってあげなきゃと気持ちが引き締まりました。

 

解離って何?

私が感じていた解離は「フワフワした感覚」です。

地に足がついてない感覚。

 

↓カウンセリングで「解離」について教えてもらいました 

www.koara2015.com

 

解離は、現実が辛くてどうしようもない時、それの辛さを切り離そうとして脳が起こす現象で、ひどくなると、急にパタンと倒れてしまったり、買った覚えのないものがバッグに入っていたり、幽体離脱のような状態になるそうです。

 

だけど、解離は不思議現象ではなく、脳が起こす現象です。

 

解離しているときに脳内でどのようなことが起こっているかというと、

脳が、正常な情報を、本来とは別の情報に変更しています。

 

まず、人間の脳の構造からご説明します。

 

脳の構造―脳は三層からできている

 

◼️皮質:脳のいちばん外側にあり、言語や認知を司る。人間だけ高度に発達している部分。皮質の前部分に前頭前野がある。

 

 □前頭前野:情動をコントロールしたり、善悪・損得を判断する機能がある。子供が親の言うことをきけるようになるのは、ここがだんだんと発達してくるから。前頭前野は、20年かけて完成する。

 

◼️辺縁系:感情と記憶を司る。

 

◼️脳幹部:身体を司る。

 

※辺縁系と脳幹部は、命を守るために本能的に機能する。

 

↓脳のしくみ

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この本では、

 

前頭前野を「おりこう脳

辺縁系と脳幹部を「いやいや脳

 

と呼んでいます。

 

正常な脳の状態

脳の正常な状態は、

おりこう脳といやいや脳とが情報を送りあって、

脳同士の葛藤に折り合いをつけることができている状態のことです。

 

例えば、

いやいや脳が「眠い!もっと寝たい!」とかんしゃくを起こして暴れているときに、

おりこう脳が「遅刻しちゃうから起きなきゃだめだよ」と諭す。

 

そのような情報のやりとりが行われている状態が、

脳が正常に機能している状態です。

 

↓正常な脳の状態

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脳同士の葛藤に折り合いをつけられる理由

正常な脳だと、おりこう脳といやいや脳の葛藤に折り合いをつけられる。

その理由は乳幼児期にあります。

 

 

赤ちゃんが泣いて表現する身体や感情の不快さは、命を守ってもらうためのサインです。その欲求を養育者が満たしてあげることで、不快さが制御されます。

 

そうやって、乳幼児期に与えられた安心感・安全感は、おりこう脳といやいや脳が正常に情報をやりとりし、妥協点を見つけることができるようになるための基礎になります。

 

↓乳幼児期に与えられた安心感・安全感は重要

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解離している脳の状態

解離の状態とは、おりこう脳といやいや脳との間で情報のやりとりがなくなっている状態です。

 

子供の場合、親の前ではぐずらない、泣かない場合はこの状態に陥っている可能性があるので注意が必要です。

 

例えば、転んだ時にいやいや脳が、「痛い!」という信号をおりこう脳に送ろうとします。

ですが、おりこう脳が先手を打って「痛くない!」という信号をいやいや脳に送ります。

 

すると、いやいや脳は「痛い」という信号を「痛くない」という信号に変更してしまうのです。

 

この状態を、一次解離反応といいます。

 

↓解離している時の脳の状態

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子供は親に愛されなければ生きていけません。

だから、子供は親の「泣かないで!」「ぐずらないで!」という願いを満たすため、解離を起こして親に適応するのです。

 

これが大人になっても続いてしまっているのが解離性障害です。

解離が日常的にある場合、解離性同一性障害という診断が出る場合があります。

 

解離の治療

解離性障害の主な原因は、他人にほんとうの自分を表現することができないことです。

 

解離性障害に対して、日本で医療保険の適応となっている薬はなく、海外でも有効性が確認されている薬はないそうです。

 

解離している心の部分を、安心できる関係の中で言葉にして表現してだんだんと癒していくしかありません。

 

カウンセラーさんも、解離はカウンセリングの領域とお話しされていました。

 

私は投薬治療をはじめてからフワフワした解離がなくなってきましたが、以前は本当にひどくて、天井から身体の中身を引きずりだされているような感覚だったり、普通だったらやらない行動をいつのまにかしていることがよくありました。

 

境界性人格障害もそうですが、即効性のある薬がないということで絶望的になる方も多いと思います。

だけど、薬は、気分が落ち過ぎるのを防ぐためには有効だけど、根本の治療にはならないと思っていた方がいいです。

 

並行してカウンセリングや認知行動療法を行い、過去を癒してちゃんと過去のものにしていかないと、本当に薬なしでは生きていけなくなってしまう気がします。