境界性パーソナリティ障害からの回復

境界性人格障害/境界性パーソナリティ障害の治療過程・回復記録

2017年 影響を受けた本

本を読むのが好きです。

 

溢れ出そしそうな感情を文章にするのはとても難しいことです。このブログには、自分の気持ちを赤裸々に、正直に書いているつもりだけど、私の脳みそと語彙力では表現しきれない感情が沢山あります。

本を読むと、ぐちゃぐちゃに絡まっている感情がほぐされてピッとまっすぐになったり、破壊的な心の叫びを見事な文章で完璧に表現してくれていたり、ズキズキとした痛みや傷が少しだけ癒えたり。私にとって読書は欠かせないものです。

 

⬇︎本を読んで泣くと、気持ちが浄化されます。

大事なのは、泣く事 - ボーターじゃない

 

2017年に読んだ本の中で特に好きなものを5冊ご紹介します。

 

きりこについて(西加奈子

大好きな西加奈子さんの本。

このお話に出てくる「ちせちゃん」に自分を投影して読みました。外から見える私はきっと「ちせちゃん」みたいなんだと思う。性に奔放で、気が強い。

だけど本当は気が弱くて自信がなくて、深く深く自分の世界に入り込むような「きりこ」の部分もある。

いろんな挫折や葛藤を経て、きりこやちせちゃんが、私は私でいいんだと気付いていく過程に勇気をもらい、あなたはあなただから素晴らしいんだよ、と抱擁されている気持ちになって何度読んでも涙が出ました。

全部の登場人物に幸せになってもらいたいと願った一冊。

 

 うつくしい人(西加奈子

うつくしい人 (幻冬舎文庫)

うつくしい人 (幻冬舎文庫)

 

これも西加奈子さん。

今年に限らず何度も読んでいるけど。

自分の事に置き換えてばかりで申し訳ないのですが、この主人公も本当に自分と似ている。自意識過剰で気が強い。嫌われるタイプなんだろうなあ、わかるなあ、自分もそうなんだなあ、って。

主人公の姉は何歳になっても自分の世界にどっぷりと浸かり、周りの目を気にせずに生きている。一方で主人公の百合は、周りに合わせて常に妥当なポジションに収まるよう生きてきた。

こんな兄弟関係も自分と重なりました。

姉である私はいつも周りの目を気にしながら、自分の立ち位置を維持するために必死で生きてきて、それでもうまくいかずに悩んでいる。なのに実弟は、実家でのんびりニート生活をしていて、将来を悲観するでもなく悠々と生きている。

その悔しさと羨ましさを見事に表現してくれていて、涙が止まりませんでした。

 

自分を見失って、本当の自分がどこにもいない感覚はすごくよくわかります。そして、周りに変な目で見られても自分の好きなように生きている人への羨望の気持ちも。

徹底的に最適なポジションに収まっていくことも、徹底的に自分の心に従ってぶっ飛んで生きることも、どっちにも振り切れずに自分を見失ってしまう。

 

だけど、「そんな時もあるじゃん!あなたはあなただから美しいのよ!」って、圧倒的な説得力で私を支えてくれる大切な一冊です。

 

 こちらあみ子(今村夏子)

こちらあみ子 (ちくま文庫)

こちらあみ子 (ちくま文庫)

 

人に教えてもらって読みました。

内容はすごく重いんだけど、みんなが一生懸命生きてる。自分のアイデンティティを保つこと、社会の中での役割を果たすこと、家庭の中での役割を果たすこと、他人と関わること、人に教えること、伝えること。この世界は全てが難しい。だけど、あみ子のずれていて間違ってるかもしれないけど、真っ直ぐな行動と発言に清々しさを感じる瞬間がありました。

昼休みに、誰もいないビルの隙間で泣きながら読みきりました。なにやってんだろ。

 

 

そして、2017年は興味の範囲が大きく広がった一年でした。

「自分の性格を変えたい。心の持ちようでは、自分の意識ではどうにもならない。どうしよう。」

紆余曲折の末にたどり着いたのが、脳科学でした。

心理的な世界は、変化させようとする範囲(人間の気持ち、考え方、物事の捉え方)に限界がないと感じます。それに比べ、脳は変化の幅が狭い。(脳の形や細胞の形が人によってそこまで大差がないという意味で。)

 

限られた範囲で、性格を変えるために自分が出来ることがある。

それなら学びやすいし実践しやすいのでは?

自分を変える道のりが長すぎて途方に暮れていた私に近道を提示してくれたのが脳科学の世界でした。

 

 脳科学は人格を変えられるか?(エレーヌフォックス)

脳科学は人格を変えられるか?

脳科学は人格を変えられるか?

 

 タイトル通り「人格を変える」可能性を秘めた脳の実験が多数収録されています。脳科学について何の知識もなかった私は、性格=遺伝80%+成育環境20%でつくられるものだと思っていました。そしてそれは努力で変えられるものではないと。

だけど、脳の可塑性は非常に高いこと。記憶の入れ替えができること。書かれている実験は研究室レベルのものが多い印象でしたが、人格って、努力次第で変えられるのかも、と勇気をもらいました。

そして、余裕が出来たら脳科学についてちゃんと学びたい、という学習意欲も湧いてきました。

 

 

あとは、境界性人格障害(ボーダーライン)についての本。

自分を何かの病気に当てはめることは本当に正なのかとずっと悩んできました。

心療内科でうつと診断されたり、ネットでADHDのチェックテストをすると見事に当てはまっていたりしましたが、いままではどれも素直に受け入れられなかった。

だけど、これだけは、すっと自分のことと思えました。良いのか悪いのかは未だにわからないけれど、本を読んで、境界性人格障害のことを知れば知るほど、自分の過去の感情が信じられない勢いで湧き出てきました。

恥ずかしくて悲しくて、誰にも知られたくなくて、秘密にしたくて、長年押さえつけてきた感情。だけど、その感情の中に本当の私がいました。

ずっと欲しかったもの。自分の本当の気持ち。

本を読みながら、湧き出てきた感情を書き出す作業はとても辛いです。

でも、大人になったいまの私が、私の中にいる傷ついた子供の私を助けてあげないといけない。そう思えたのも、境界性人格障害についての知識を学んだからでした。

カウンセリングに通うキッカケにもなったし、今後も何度も読み返すのだと思います。

 

 境界性パーソナリティ障害岡田尊司

境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書)

境界性パーソナリティ障害 (幻冬舎新書)

 

 すごくわかりやすく、専門的なのに読みやすく、自分のことを整理する準備として読むのにベストだと思います。岡田先生自身が境界性パーソナリティ障害の人と初めて関わった衝撃と戸惑いからこの分野の研究を始めているそうで、愛情と深い理解を感じられる本でした。

「ボーダーラインは一刻も早く見捨てるべき」というメッセージが巷に広がる中、岡田先生は本の中で「ボーダーラインの人は人を惹きつける不思議な魅力を持っている」「乗り越えたらもっと魅力的な人になれる」そんなメッセージを書いてくださっていて、現在と未来の自分を認めてくれているように感じました。

 

 境界性人格障害(BPD)のすべて

境界性人格障害(BPD)のすべて

境界性人格障害(BPD)のすべて

  • 作者: ジェロルド・J.クライスマン,ハルストラウス,星野仁彦,Jerold Jay Kreisman,Hal Straus,白川貴子
  • 出版社/メーカー: ヴォイス
  • 発売日: 2004/06/01
  • メディア: 単行本
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 こちらは更に専門書に近い印象です。ただ、境界性パーソナリティ障害自体については、まだ曖昧な解釈となってしまう部分も多いようで、議論の余地あり、という書き方で現在の研究概要を述べている箇所も多くありました。

前述の岡田先生の本で核の部分を学び、オプションの情報をこちらで得るのが良いと思います。

事例紹介がとてもリアルなので、読んでいると急に自分の過去の記憶が思い出されたりすることが多々ありました。フラッシュバック的に一瞬辛い気持ちが呼び起こされますが、治療のためには必要な過程なのだと思います。

 

闘いの拠点

人生に生きづらさを感じるようになってもう10年近く経ちます。ひたすらに自分と向き合い、アイデンティティを確立させようと闘ってきた10年でした。

何度も死にたいと願い、何度も強くなると決意して生きてきました。

 

そんな中、今年は、このブログを自分のアイデンティティの拠点にできた気がします。

ブログを開設してから、はじめの2年くらいは、年に数回しか記事を書いていませんでした。自分の感情を外に出すことに強烈な抵抗があったからです。

 

でも、感情が大きく揺さぶられて、泣きながら気持ちを文字に書き起こしている時、一瞬、冷静に自分を客観視できる瞬間がありました。

それから、その作業を継続するようになり、一気に自分の過去の整理が出来てきました。

意識していたわけではないのですが、自然とこのブログが拠点になり、同じ作業を繰り返し続けてきたことに意味があったのだと思います。

目まぐるしく現れては消えていく感情たちをここに留めていくことで、自分は何者なのか、何を考え何を求めているのか、明確にできてきた気がします。

 

そして、いままでずっと言えずにいましたが、毎日読んでくれる方がいたことが、私にとって本当に心の支えとなりました。

自分のためだけにはじめたブログ。だから、本当に恥ずかしいことばかり書いていると思います。裸よりもさらに裸で、ただただ自分の核をさらけ出しているような記事ばかりだと思います。読んでいて嫌な気持ちにならないのかな、と心配になってしまいます。病んでいる人の気持ちをさらにおちこませてしまったらどうしようとか、私と違う考え方を持っている方が怒りを感じることがあったらどうしよう、とか。

 

だけど、毎日多くの方に見に来ていただけていて、お役に立てる記事でもないのに本当にありがたい限りです。

私はこのブログを拠点として自分を探し続けていますが、その過程を見てくださっている方がいると思うと、すごく嬉しいのです。(自分ではもう読み返したくない記事が山ほどありますが…)

ブログ自体の印象が良くないはずなので、自分からはあまり関わりを作れずにいますが、本当は人との関わりを渇望しているのだと思います。

心から感謝申し上げます。

ありがとうございます。

 

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(アカウント出さない方がよければ、お手数ですが教えてください!)

 

2017年も、本当にありがとうございました。